ある日の雲平家夕食時。


「…壬晴をお嫁さんに欲しい」
「え」
「いや待てそれは保護者として……その前に何故お前たちまでさも当たり前の顔をしてご飯を食べているんだ」

宵風は左手に茶碗を持ったまま、真剣な顔をして壬晴を見ていた。
そして壬晴は驚いて思わず顔を赤らめた。

帷の懸命の介入もまるで存在しなかったかのように処理された。

「今日俺達は壬晴に招待されたんだぞ?」
「いや、俺は聞いていない」
「壬晴が、今日は俺が手料理作るから宵風絶対連れて食べに来てね、ってよ」
「壬晴は手伝っただけで、実はほとんど俺が作ったんだが」
「うまいよ」
「……今更だろ。って、だからもうなんで居るんだ」
「ほらほら照れんなって」

帷の向かいの席で雪見は笑ったが、帷は不機嫌そうな顔をしていた。
それから宵風と壬晴は未だ見詰め合ったまま。

「こんな美味しいご飯が毎日食べられたら幸せだと思うんだ」
「ありがとう」
「待て、だからちょっと話を聞けお前ら」
「結婚しようか壬晴」
「宵風、お前等まだ学生だから無理だろ」
「ちょ、!あんたも何言ってるんだ。そこは止めるところ…」
「あ、そうか。じゃあ壬晴が高校卒業したら結婚しよう」
「いいよ」


「いや、だから待て。人の話を聞け!」