子供らに締め出されました。
のんびりと夕食後のひと時を壬晴と(一方的)に楽しんでいると呼び鈴が鳴って、自分が立ち上がる前に壬晴が走っていって、気が付いたら何でか宵風が目の前で壬晴と並んでお茶していました。
そして親心(一方的)から思わず妨害工作を働くと、うまいこと壬晴の小悪魔に騙されて気が付けばベランダにだされていました。
教育方法を間違えたんだと深く思っています。
「帷、直立不動でベランダに立ってるとなかなか怪しいものがあるぜ」
「悲しみにくれているんだ、話しかけないでくれ。っていうか何で居るんだ」
「お隣さんだから」
ベランダから雪見が身を乗り出してこっちを見ている。
片手にグラスを持っているから、多分酒を飲んでいるんだろう。
「で、何であんたベランダなんかで直立不動でたってるんだ」
「あんたのせい」
「宵風がそっち行ってんだな、やっぱ」
「やっぱって……監督不行き届きだ」
「うちは適度に放任主義なの。子供はのびのび育てばよし」
そうからからと笑う雪見は結構酒が回っているようだ。
酔った雪見は上機嫌で饒舌になる。
「……俺はいつまでここに居ればいいんだ」
「じゃあこっちくるか?」
「…いいのか?じゃなくてだ、この状況でどうやって」
「飛んで来い、絶対受け止めてやる」
「酔っ払い」
ふと振り返ると壬晴がガラス戸の前に立っていて、入れてくれるのか?と思うと唇が動いた。
ゆきみさんのへやにいくならあけてあげるけど?
そういって壬晴はにこりと微笑んでいた。
結局84号室の呼び鈴を押すことになった。